本会会長インタビュー

地域に密着した福祉をめざして

松戸市社会福祉協議会の展望

 急激な少子高齢化や介護保険制度の改正、障害者自立支援法の制定など、社協をとりまく環境は刻々と変化しており、社会福祉協議会の役割はますます重要になってきています。
 そこで、本会広報宣伝委員会の井上委員長と大嶋副委員長がインタビュアーとして、本会の恩田平二会長に、社協の役割と展望についてお伺いしました。

井上 一 委員長と大嶋愛子副委員長

恩田平二会長
 少子高齢化と社協の役割
井上 松戸市社協の展望についてお伺いしたいと思います。
 少子化の進展は深刻な問題ですが、社協の役割は何でしょうか。
恩田 少子化が進み人口が減少することは、地域社会に大きな打撃を与え地域の活性化を妨げる大きな要因となります。社協は、子育て家庭への支援を推進し、少子化傾向への歯止めをかけなければならないと思います。
 本年度より、財団法人松戸市福祉公社の解散に伴う事業移管を受けて、松戸市から「まつどファミリー・サポート・センター」事業を受託し、子育て家庭への支援を開始しました。
 育児の援助を受けたい人(利用会員)と育児の援助を行いたい人(提供会員)が会員となり、育児や出産直後の支えあい活動を展開しています。ニーズの中で最も多いのは、保育園等への送迎とその後の預かりです。親が仕事を終えて迎えにくるまで、提供会員の自宅で預かっていただきます。
 また、地区社協では、平成11年の矢切地区をかわきりに6つの地区社協で「子育てサロン」事業を行っています。乳幼児と保護者を対象に、気軽におしゃべりをして仲間づくりをしたり、育児の悩みの相談やさまざまな情報交換の場として、昨年度は延べ126回開催され、7,179人の参加がありました。
 2006年をピークに人口が減少する一方、2025年には高齢化率は28.7%に達し、2人で1人の高齢者を支えなければならなくなります。
 また、2007年から団塊の世代が引退期に入り、さまざまな経験と能力を有する熟年世代が「職場」から「地域」へと帰ってきます。このようなマンパワーがどのようにしたら地域福祉に参画し、超高齢社会に向かって大きな力となってくれるかを考えなければならないと思います。
 地域密着型事業の展開
大嶋 本年度からスタートした「地域型ふれあい広場」は、市内7か所で開催され、延べ157団体約6,600人が参加しましたが、いかがでしょうか。
恩田 昨年度は市社協1か所で開催し、138団体約2,800人の参加がありましたが、一極集中型で行うよりも分散化することで、それぞれの地域の団体を巻き込むことができ、多くの交流が生まれたことは成功であったと思います。
 やはり、小地域での活動こそが地域に密着したネットワークづくりにつながり、地域住民の交流と社会参加を促進する支え合いのシステムができていくのではないでしょうか。今後は、地区社協も分割され、きめ細かな福祉活動が展開できることを願います。

市立第3中の吹奏楽部による演奏会
(馬橋地区ふれあい広場)
 自主財源の確立
大嶋 行政改革が進む中、社協も今まで以上の支援を行政に求めることは困難ですが、財源の確保についてお伺いします。
恩田 今後、地方自治体は、行政改革の一環として社協などの関与法人への補助金の見直しを進める方向にあり、ますますきびしい状況が予想されます。
 市社協では、売店などの収益事業に力を入れてきましたが、財政基盤を強化するために自主財源の確保をよりいっそう進めていかなければ、今後の地域福祉活動の展開に大きな支障をきたします。
 そこで、平成18年度からは「まつど社協だより」に広告を掲載し、その収益を市社協の地域福祉活動の財源に充てたいと考えています。企業にも福祉に対して目を向け参加してもらうことで、地域福祉活動に新たな広がりが期待できるのではないでしょうか。
 また、本年2月5日開催の「第23回松戸市福祉大会」では、厚生労働省所管高齢者文化振興事業活動の社団法人「虹の会」(理事長アントニオ・古賀氏)のご協力をいただき、記念イベントとしてチャリティ・コンサートを開催し、参加者全員で楽しいひとときを過ごしました。

「虹の会」アントニオ・古賀理事長
 今後の展望
井上 最後に、今後の社協の展望についてお聞かせください。
恩田 今後、高齢者が増えていく中で、株式会社の福祉事業への参入がますます多くなってくると思います。
 そうなると、助成金や補助金だけに頼っている組織は、たとえ社会福祉法人であっても存続が難しくなります。
 地域での孤立や、制度だけでは補えない地域住民のさまざまな生活課題をいち早くキャッチし、応えていくための福祉サービスを展開することが、これからの社協に求められていることではないでしょうか。